政府主導による働き方改革法が施行され久しいですが、実際のところ、仕事のやり方や環境など企業内の改善は進んでいるのでしょうか。今日は改善に向けた社内の取り組み方についてお話したいと思います。

制約条件(できない理由)

働き方改革を実現するための改善活動が各社で行われていますが、抵抗勢力が多くてなかなか進まないという声をよく聞きます。抵抗勢力の人たちは改善案を潰すために制約条件(できない理由)をたくさん考えます。

反対するなら対案を

できない理由を先に挙げて、改善がうまくいかなかった時には「だから自分は最初から反対だった」と言えば自分の立場を守ることもできます。新しいことを始めることは勇気を必要としリスクもありますが、評論するだけならリスクもありません。最近では国会でも“反対するなら対案を”という合言葉が使われるようになってきましたが、これは無責任な評論を抑えて前向きな議論をするために有効な考え方です。

ToBeとCanBe

抵抗までいかなくても、先に制約条件を考えてしまうと改善案がどんどん小さくなってしまいます。いわゆる落としどころを先に考えてしまうというのは一般的な思考ですが、大きな改善を行おうとするなら制約条件を先に考えるのではなく制約条件が無い前提であるべき姿(ToBe)を描く必要があります。ゴールであるToBeを設定した上で制約条件を加えると現実的な改善案(CanBe)を設計することができます。この方法なら理想とするゴールに対して現在どこまで到達したのかが分かり、制約条件を排除することによってCanBeToBeに近づきます。ToBeが見えることにより制約条件を乗り越えることにもつながります。

対案なき反対は賛成

例えば、予算が100万円だったがToBeの効果が300万円になることが分かり予算を増強してもらえたというようなケースです。100万円以内でなんとかしようとすれば100万円のアイデアしかでないということです。協議するメンバーの中では「対案なき反対は賛成」を合言葉にして、自由な発想で大きな改善を狙ってください。