これまで「業務の可視化」についてご紹介してきました。しかし、業務の可視化とは、一体どういった事なのでしょうか。
今回は、基本である「業務の可視化」とは何かを改めて考えてみましょう。

オフィスワーカーの業務は「情報工場」である

工場であれば、自動車、布製品やねじ、食品といったモノを製造しています。一方、オフィスワーカーが業務で製造しているモノは、目に見えない事がほとんどです。

たとえば、「企画案」は、新しく作成されているモノですが、ねじや食品のように実体があるものではなく、「情報」なのです。

情報づくり

つまり、オフィスワーカーの業務は「情報を作成する工場」であるという事になります。

業務の可視化とは、「情報」の「組み立て説明書」

プラモデルの組み立てや、冷凍食品の調理をした事はありますか。あるいは、インスタントのカップ麺でも構いません。
こういったものを作る際、パッケージの裏、あるいは説明書の組み立てや調理の手順が書き記されているのを読まれているかと思います。
HIT法で作成する「Sチャート」は、この「説明書」と同じです。
例えば、企画書を作成する時の例で考えてみましょう。過去の資料から「使えそうな情報」を抽出し、それを元にして「新しい企画案」を考え、最終的に「Word」を用いて「企画案」という新しい情報を作成しています。
プラモデルの説明書は、パーツを組み立てて作成する手順を示していますが、Sチャートも同様に、パーツを組み立てて情報を作成する手順を示しているのです。

文章よりも、図の方がイメージを掴みやすい

それでは、なぜ業務の可視化は必要なのでしょうか。
冷凍食品の例で考えてみましょう。湯煎で温める際、袋から出したり、パッケージの一部だけをあけたり、後から具材の追加が必要なケースがあります。
こういった作業手順が文章で書かれている場合に、「読むのが面倒だな……」「なんだかわかりにくいな」と感じたり、うっかり読み落としてしまったりした事はありませんか。
一方、簡単であってもイラスト付きで説明されていると、作業の手順が一目見ただけで何となく把握でき、簡単に調理する事ができます。
Sチャートは、この2種類の説明書きのうち、「イラスト付きで説明している手順書」になります。
複雑になりがちな業務の処理手順を、「一目見ただけでも大体のイメージがつかめる」ようにしているのです。

可視化をすると、複雑な処理手順でも簡単に伝えられる

今回は、「業務の可視化とは一体どういう事なのか」を考えてみました。
なかなか大変な業務の引継ぎにOJT。Sチャートがあれば、これらの作業ももっと楽に行う事が出来ます。
HIT法について、もっと詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください!

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