業務改善の際、HIT法では「すぐ出来る改善」を優先的に探していただくようにしています。
年間で計算した時の削減効果が「2分」ほどのものであっても、すぐ出来るものであれば優先的に改善提案を出していただくようにしています。

しかし、業務改善にかかる負荷も決して軽いものではありません。数分程度の改善では、何も変わらないのでは……と思ってしまいますが、実はこれには大きな理由があるのです。

細かいムダが残っていると、大きな改善に取り組みにくい

以前、小さな改善の効果についてご紹介しました。
どんなに小さな改善であっても、積もり積もってくると大きな改善効果をもたらすもの。
見逃さずに改善を行っていく事で、少しずつ業務を良くしていく事が出来るのです。

たった10秒の業務改善が大きな効果に!|実は大きな小さな改善

業務改善は大きな1つのプロジェクトです。実施するにあたっては多くの時間や手間をかける必要があります。
また、システム構築や組織編制の変更などを行うにあたっては多くの方の協力も必要になってきます。この際に、細かいムダが残っているまま業務を続けていると、改善活動に時間を割きにくく、大掛かりな改善がなかなか進まなくなってしまいます。

改善活動にも下地作りが重要

畑づくりをイメージしてみましょう。作物を植える前に、土から石や雑草を除去していく必要があります。まずは目立つ雑草や石を取り除き、その次に地中に残っている石を掘り返して取り除いていきます。この下準備が出来てから、肥料を混ぜたり、作物を植える作業に取り掛かっていきます。雑草や石取りは、しっかりとした畑を作り作物を育てる為に重要な下準備になります。

業務改善における小さなムダ取りは、畑づくりにおける雑草や石の除去のようなものです。
大きな改善に取り組む前に、見つけたムダを手がつけられるものから順次取り除いていきます。この工程を後回しにしてしまうと却って準備に時間がかかってしまい、業務改善が停滞するようになってしまいます。改善活動の最初は根気強く小さな改善を行っていきましょう。

小さな改善を積み重ねると、モチベーションが上がる

小さい改善ばかりを実施し続けていると、なんだかモチベーションが下がっていってしまうのでは……と思われるかもしれません。しかし、実際には「すぐ出来る改善」というのは、日頃行っている身近な業務の中に潜んでいる事が多いものです。
例えば、印刷のムダ・管理ファイルの重複・整理されていない棚など、日常的に行っている業務の中で感じる「ああ、面倒だな」という箇所をどんどん改善していく事で、日常業務で感じる不満が少しずつなくなっていきます。つまり、改善の効果を実感する事が出来るのです。
小さなムダというのは、自覚をしていたとしても「直すのも面倒だし……」で続けてしまいがちですが、思い切って直してみると想像している以上に効果があるものです。
「いつか改善される」であろう大きな改善を待つよりも、「今すぐできる」小さな改善を行っていく方がモチベーション向上に繋がります。

改善活動はコツコツ積み重ねて行う

いかがでしたか。何となく大変なイメージのある業務改善ですが、すぐに手をつけられる所から探していくと、意外な所に改善出来るムダがあるものです。
大物を狙ってしまうと、かえって改善活動を停滞させてしまうので、まずはコツコツと改善を積み重ねていく事を意識してみましょう。

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